2022年3月7日

建築家展2022|横須賀満夫

横須賀 満夫/株式会社横須賀満夫建築設計事務所

ものを”創る”ことへのこだわりは誰にでもある自然な心です。その心の表現を仕事としている建築家は、純粋であるべきですし、美しいもの・温かいもの・明るいものなど、それらを素直に読み取れる感性を養うべきだと思います。クライアントの考えを感性というフィルターを通して、どのような考え方で創りあげていくかが、建築家に与えられた大きなファクターであろうと思います。


一般社団法人日本自動車連盟 茨城支部

一般社団法人日本自動車連盟 茨城支部

・竣工年月日 令和2年7月27日
・構造 鉄骨造
・規模 地上2階 延床面積 982.33㎡

当敷地は国道50号に面しているが側道や高低差の関係から視認性のあまり良くない環境です。クライアントからの要求は昼夜を問わず目立つものにしてほしいとのことでした。車のスピード感に対し残像としてデザインを捉えるために、建物本体と庇を敷地一杯に引き出し横長の表情を作り出しました。車両による騒音に対する閉鎖感と街への開放感を同時に解決するために「山型」の壁面形状を提案しました。太陽光や自然がおりなす陰影に託し、ネオンや看板等による表現を極力排し僅かな照明でロードサイドビルディングと街との自然な一体化を実現させました。
また、事務所部門と作業部門のごくありふれた構成ですが、合理性や機能性や経済性の追及に留まらず、ロードサイドの小建築が新たな街づくりや景観づくりまで立ち入った計画です。SDGsの目標11である“住み続けられるまちづくり”として、敷地内のオープンスペースを地域交流スペースや災害時の防災拠点として機能を付加しました。すべての人々の安全かつ快適な暮らしを守るサスティナブルなまちづくりに貢献しながらも、国道沿いのロードサイドビルディングとして街の景観も未来へ繋ぎたいと思います。


横須賀満夫/株式会社横須賀満夫建築設計事務所

■plofile
1938 茨城県常陸太田市生まれ
1962 日本大学理工学部建築学科卒業
1963 ㈱吉田建築事務所(新宿)
1965 ㈱ヤカタ建築事務所(銀座)
1969 横須賀満夫建築設計事務所 所長
1986 ㈱横須賀満夫建築設計事務所 代表取締役
2020 ㈱横須賀満夫建築設計事務所 取締役会長

■works
常陽銀行 厚生年金基金那須保養所
水戸市国際交流センター
常陽銀行:大洗常陽荘
学校法人 少友幼稚園
土浦市立土浦小学校
ポルシェセンターつくば
つくば市立秀峰筑波義務教育学校
株式会社アダストリア本店
JAF 一般社団法人 日本自動車連盟茨城支部

■book
建築パース入門(1965年)
ボローニャのポルティコに学ぶ (1997年)
インドにコルビュジェ・ルイスカーンを訪ねて)(1997年)
現代建築の巨匠達のルーツを訪ねて(1998年)
地域遺産はがき(ユネスコ協会) (2007年)