2022年3月11日

建築家展2022|根本洋一朗

根本洋一朗/根本建築設計事務所

“No misstion is impossible.”(不可能を可能に!)

建築には、さまざな人と人との出会いがあり,その結びつきが広がることによって、大きな「人の和」を生み出す重要な役割を持っています。どんなに優秀な建築家もひとりでは何も生み出すことができません。ひとつの建築にそれぞれの役割でたづさわった多くの人々が感動と幸せを感じられるような建築の創造に努力していきたいと思います。


1 慈雍厚生園

慈雍厚生園

・敷地面積  5,671.9㎡
・構造 木造 平屋建て
・延床面積 1,783.44㎡
・用途 知的障碍者支援施設

敷地は畑が広がるのどかで落ち着いた雰囲気の場所で、シンボルになるような建物デザインを目指し計画しました。
配置計画は南北に長い敷地に対し、できる限りコンパクトに建物をまとめることで駐車場や庭を最大限に利用できるようにしました。外観は広く大らかな屋根と北側に伸びていく扇状とすることで、建物のボリュームを抑え、外部色は彩度を抑えた落ち着きのあるカラーで統一し周囲の風景に合わせました。内部は白と木目を基調とした明るく温かみのある色彩としました。
平面計画は日常生活の核となるランチホールを建物中心に配置し、派生するように各機能が広がることで利用者が配置を理解しやすく動線を短くすることができます。各所に中庭を設け、光・風を随所に感じ、感染症対策として換気のしやすさにも配慮しております。管理室は玄関と隣接する事務室、及び男女各棟の中心に1つずつあり、利用者の些細な変化にも対応できるよう配置しました。
のどかな景色に合う安心・安全な施設が完成しました。

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2 さんさん保育園

さんさん保育園

・施主 社会福祉法人 みんなのえがお
・施工 株式会社吉川工務店
・竣工 2021年3月
・敷地面積 2,987.81㎡
・構造 木造 2階建て
・延床面積 790.83㎡
・用途 保育園

敷地は県庁にほど近く、大型商業施設や宅地開発が進む中で田畑が残り自然を感じられ場所で落ち着いた雰囲気のあるこの敷地に溶け込みつつ、シンボルとなるような保育園を目指し計画いたしました。
外観はまわりの雰囲気に合わせて建物の高さを抑え、広くおおらかな大屋根と外壁にはリズミカルに丸窓を配置しました。丸窓はファサードのアクセントだけでなく、0,1才室から覗くことができ、乳幼児の好奇心をくすぐる仕掛けにもなっています。内外面プランで重要視したのが、安全で管理の行き届く施設とすることでした。そのために、事務室は施設全体を見渡せる玄関付近とし、駐車場・玄関・各保育室の状況を把握でき、いち早くあらゆる危険を察知し、対応できます。各保育室は中央の遊戯室を通して他の部屋の状況を感じられ、スムーズな連携が図れます。軒の深いデッキは各保育室をつなぎ、また外部活動に広がりを持たせます。吹抜のある遊戯室は四方に高窓を配置し、光が入るだけでなく、高窓を開けると高低差による上昇気流によって風が通り換気しやすくすることでランニングコストを抑えるだけでなく、利用者が光や風を感じ、五感を刺激する建築を目指しました。
保育園の名前のような、太陽の光があふれる明るい園舎が完成しました。


根本洋一朗/株式会社根本建築設計事務所

■profile 
1961 茨城県生まれ
1984 日本大学工学部建築学科卒
1984 日本大学工学部建築学科卒
1989 (有)根本建築設計事務所入所
2000 ㈱根本建築設計事務所専務取締役
2013 ㈱根本建築設計事務所代表取締役

■works
2008 水戸市立常磐小学校増改築工事
2009 大洗の家新築工事
2010 三の丸歯科新築工事
2011 御前山保育園改築工事
2012 神崎寺震災復旧及観音像設置工事
2013 特別養護老人ホーム松栄荘改築工事
2014 杉の子幼稚園新築工事
2015 北茨城消防本部庁舎新築工事
2016 水木わかば幼稚園新築工事
2017 (株)中川製作所工場増築工事
2018 金上保育園新築工事